日本史(内閣総理大臣編8)第一次　大隈重信

土曜更新　日本史　内閣総理大臣編。今日は第一次大隈重信(1898.6月～11月)。

総理大臣兼外相に大隈重信、内相に板垣退助が就いたことから「隈板内閣」と呼ばれる。

また、陸・海軍両大臣を除く全ての閣僚を憲政党出身者が占める「初の政党内閣」であった。(なお、「初の本格的政党内閣」は原敬内閣。この違いは大隈重信が反政府派ではあるが薩長土肥の一つ肥前藩(佐賀県と長崎県の一部)出身であるのに対し、原敬は平民出身であることからである。)

しかし、政権は短命であった。その理由は、

共和演説宣言→文部大臣の尾崎行雄が問題発言。絶対にありえないことと、ことわったうえで「仮に日本に共和政治が行われるとしたら、三井、三菱が大統領の有力候補となろう。」と暗にもし天皇制がなくなればともとれない発言をする。これに対し宮中や枢密院、貴族院、与党内の旧自由党員からも批判が集中。尾崎行雄は文部大臣を辞任する。なお、尾崎行雄は衆議院議員の当選回数(25回)、議員年数(63年)、最高齢議員(94歳)と日本最高記録である。

その後、文部大臣を旧自由党・旧進歩党どちらから大臣を出すかで揉め、合併してできていた憲政党は旧自由党系→憲政党、旧進歩党系(立憲改進党)→憲政本党に分裂。大隈重信内閣は総辞職。憲政党の支持を得て、山県有朋が総理大臣となる。次回は第二次山県有朋。